人の心というものは、なんと複雑で、奥深いものでしょう。
心は、その内界、身体、外界、そして過去から現在・未来へと続く時間軸のなかで、多様な要素が絡み合い、錯綜し、矛盾や対立をはらみながら、自分を守り、成長しようと存在しています。その姿は人によっても違いがあり、表面的なことだけではなく、深く心を理解するというのは容易なことではありません。理解ができなければ、心の問題を抱えた人の援助も難しく、混乱ととまどいに明け暮れてしまうでしょう。
心を理解するというテーマは、精神医学や心理学の大家と言われる先人たちも持ち続けたものであり、彼らは自分自身の心を真摯に見つめ、患者（クライエント）や乳児を含めた多くの人たちの言葉と行動が語るものにひたむきに耳を傾け、このテーマに挑み続けてきました。そしてその知見をもとに治療や援助の道筋を探ってきました。
このコースでは、精神分析や発達心理学の先人たちが解き明かそうと努力し、得てきたものを学びながら、心について、またカウンセリングがめざすものについての理解を深めることができます。カウンセリングを学びたいと考えている方にとっても、カウンセリングはまだ自分には未知数だけれども人の心についてもっと知りたい、理解したいという方にとっても、発見のある、新たな”気づき”となる講座です。
